学会参加費・学会出張費は経費になる?

期待してクリックした方、残念です。経費になりません。

 

(※下にある追記の情報も確認ください。耳寄りな情報かも)

 

多額の学会年会費に学会(学術集会)参加費、学会出張費、さらに言えば書籍購入費。経費にして節税したいことでしょう。繰り返します。できません。

 

大学、病院、企業のいずれで働くにしても、そこで勤務して給与をもらっていると給与所得者となります。給与所得者には、給与所得控除という概算経費控除(最低年間65万円)が認められており、実はすでに経費は控除されているのです。そのため、学会費などを別枠として更に控除対象にすることはできません。

 

ただし、個人事業主(フリーの医者や開業医)の場合は、学会費、学会参加費が控除対象になりえます。

(※自分自身はそういうポジションでないので、詳しいことは税理士さんにご確認ください。)

 

 

「給与所得者」でも、下記の条件を満たせば学会参加費・出張費が控除対象になりえます。

 

・参加する学術集会で講演をするなど、学会参加により収入を得ている場合

・学術集会参加が原稿執筆の必要経費になる場合

 

どういうことかと言うと、

給与所得以外に講演料や原稿料などの「雑所得」がある場合、その雑所得に対しては必要経費を計上することが認められているのです。

 

ただ、確定申告時に申告の必要があるのは、経費を差し引いて20万円以上の雑所得がある場合なので、雑所得がさほど多くない場合は結局経費にする意味はありません。

※学会参加費・出張費をすべて雑所得の経費扱いにすることで、雑所得を赤字にして給与所得と相殺しよう、という作戦もダメです。

 

経費を差し引いて20万円を超えるかどうかというひと、20万円を超えている人で、学術集会に参加することでなんらかの所得を得ている人は学会参加費・出張費の一部を経費にすることは可能だと思います。

(※どの程度まで経費にできるかは、税理士さんに要確認)

 

 

(2/17/2013 追記)

2013年の確定申告から特定支出控除の適応が広がり、今まで控除対象外だった学会参加費、書籍購入費、白衣代等が控除対象になる可能性がでてきました。 

実際にどの程度まで適応されるか、実際の運用がどうなるかはまだ未知数です。

勤務必要経費の上限は65万円らしいので、うまくいけば数万円程度還付になるのかもしれません。

 

参考に、特定支出控除に関する情報です。

「特定支出控除 ~勤務医のためのワンポイントアドバイス~」(PDFファイル)

→ http://www.ubc-japan.com/medinf2406.pdf

 

 

 

(2/16/2013 追記)

奨学寄付金を利用して間接的に節税できるかもしれない裏技があるようです。

実際にしたことがないので本当に実行可能かどうかわかりませんが、紹介します。

 

裏技: 奨学寄附金を自分のところに

(元ネタはこちらのブログ記事 → 記事「確定申告のあれこれ」) 

 

以下引用

「公的な機関とかNPO団体とかに寄付をした場合,2000円以上は控除の対象となります。もちろん領収書が必要です。なので,募金した場合はダメです。

 

この制度を利用して,こんなことができるかもしれません。

 

自分の所属する大学の講座に,奨学寄付金を振り込みます。そして,学会に行くときにはその奨学寄附金から旅費を出してもらいます。こうすると,勤務医は少しは得をします。

 

勤務医が学会に行くときは自腹です(少なくとも私はそう)。自腹だと,税金的には旅行しているのと同じ扱いです。

 

でも,寄付してからその金で学会に行けば,寄付した分だけ確定申告で控除されます。面倒な方法を取ってますが,学会に行くための旅費(結局は自分のカネですが)を「必要経費」みたいにすることができます。」

 

 

つまり、

旅費を自腹で払うとただの出費ですが、いったん所属機関に自分用の奨学寄付金として寄付しておけば そのお金を実際に旅費として使っても、寄付した額(=旅費)は税金の控除対象になる、というものです。

 

この技が使える立場にいる人は限られそうですが、こういう技もあるようです。

所属機関の奨学寄附金利用の規約によるでしょうが、この奨学寄附金経由の技を使えば旅費・学会参加費だけでなく、書籍の購入費にも使えるのかもしれません。

 

実行の際は自己責任で!!